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ChatGPTで「おすすめクリニック」に載るには?AI時代の集患でクリニックが今日からできること

土曜の朝、腕にできた湿疹が気になった会社員の女性が、スマートフォンでChatGPTを開きます。打ち込んだのは「渋谷で土曜もやってる皮膚科、予約なしで行けるところある?」。

数秒後、画面には3〜4件のクリニック名と、それぞれの診療時間、参照したウェブサイトのリンクが並びます。彼女はそのうち一番上の医院のリンクを開き、地図を確認して家を出ました。

この場面で、あなたのクリニックの名前は出ていたでしょうか? もし出ていなかったら、なぜ出なかったのでしょうか?

この記事では、ChatGPTがクリニックを紹介するときにどこから情報を集めているのかを、OpenAIとGoogleが公開している資料をもとに整理します。そのうえで、院長先生やスタッフの方が今日から確認できることをまとめました。

ChatGPTは「おすすめクリニック」をどうやって選んでいるのか

まず押さえておきたいのは、最近のChatGPTは、記憶している知識だけで答えているわけではないという点です。

OpenAIのヘルプセンターによると、ChatGPTは質問の内容に応じてウェブを検索し、最新の情報と参照元のリンクを添えて回答します。その際、ユーザーの質問をいくつかの検索クエリに書き換えて外部の検索プロバイダーに送り、結果を見たうえで追加の検索を行うこともある、と説明されています(出典1)。

地域の話が絡む質問では、位置情報も使われます。同じヘルプページでは、IPアドレスから推定したおおまかな位置(国・都道府県・市区町村レベル)を使ってローカルな結果を返すことがあり、端末の位置情報の共有をオンにすれば、近くのお店などについてより具体的に答えられると書かれています(出典1)。

つまり冒頭の女性の質問は、ChatGPTの中で「渋谷 皮膚科 土曜 診療」「渋谷 皮膚科 予約不要」といった検索に分解され、見つかったウェブページの内容をもとに回答が組み立てられている可能性が高いわけです。

ここから言えるのは、ウェブ上に「土曜診療」「予約なしで受診可」といった情報が、AIが読める形で書かれていない医院は、そもそも候補に上がりにくいということです。

載るための前提条件:AIがサイトを読めるかどうか

意外と見落とされがちなのが、技術的な入口の問題です。

OpenAIは、ChatGPTの検索機能のために「OAI-SearchBot」というクローラー(ウェブページを読みに来るプログラム)を使っていると公表しています。公式ドキュメントでは、OAI-SearchBotをブロックしているサイトはChatGPTの検索回答に表示されない(ナビゲーション用のリンクとしては出る場合がある)とされ、表示されるためにはrobots.txtでOAI-SearchBotを許可することが推奨されています(出典2)。

ここで混同しやすいのが「GPTBot」です。GPTBotはAIモデルの学習用データを集めるクローラーで、OAI-SearchBotとは設定が独立しています。「学習には使われたくないが、検索結果には出たい」という場合は、GPTBotだけを拒否し、OAI-SearchBotは許可する、という設定ができます(出典2)。なお、robots.txtを変更してから検索結果に反映されるまでには、約24時間かかることがあるとされています(出典2)。

ホームページ制作会社に「AIに勝手に使われないように」と依頼した結果、AI関連のクローラーをまとめて止めてしまっている、というケースも考えられます。一度、自院のrobots.txt(「ホームページのURL/robots.txt」で確認できます)を制作会社と一緒に見ておくと安心です。

Googleの側も方針ははっきりしています。Google検索セントラルの公式ガイドでは、AIによる概要やAIモードに表示されるために特別な最適化や、AI向けの専用ファイル・特別な構造化データは必要なく、これまでのSEOの基本がそのまま有効だと説明されています(出典3)。そのうえで、重要な情報はテキストで載せること、構造化データをページ上の表示と一致させること、ビジネスプロフィールの情報を最新に保つことなどが挙げられています(出典3)。

今日から確認できる5つのこと

では、具体的に何を見直せばよいのでしょうか。どれも特別な技術は必要ありません。

1. 診療時間・休診日を「文字」で書いているか

診療時間を画像の表だけで載せている医院は少なくありません。人間には見やすくても、文字情報がないとAIや検索エンジンが正確に読み取れない可能性があります。Googleも重要なコンテンツはテキストで提示するよう勧めています(出典3)。土曜・日曜・祝日の診療、夜間の受付時間は、本文中に文字で書いておきましょう。

2. 患者さんが実際に使う言葉で書いているか

患者さんは「皮膚疾患の診療」とは聞きません。「湿疹」「ニキビ」「子どもの水いぼ」「予約なしで行ける」と聞きます。診療科目の一覧だけでなく、どんな症状で相談できるのか、予約が必要かどうかを、患者さんの言葉で説明しているページがあるかを確認してください。

3. Googleビジネスプロフィールとホームページの情報が一致しているか

ホームページでは「土曜午前診療」、Googleマップでは「土曜休診」。こうした食い違いがあると、AIがどちらを信じるかはわかりません。祝日の臨時休診や診療時間の変更をしたときは、ホームページとビジネスプロフィールを同時に更新するルールを院内で決めておくのがおすすめです。

4. 院長やスタッフの情報が書かれているか

どんな経歴の医師が、どんな方針で診療しているのか。資格や所属学会など、事実として確認できる情報は、患者さんにとっても判断材料になります。ただし、後述する医療広告ガイドラインの範囲内で書くことが前提です。

5. AIへの入口(robots.txt)を塞いでいないか

前の章で触れたとおり、OAI-SearchBotをブロックしているとChatGPTの検索回答には表示されません(出典2)。自院で判断がつかなければ、制作会社に「OAI-SearchBotは許可されていますか?」と一言確認するだけで構いません。

気をつけたい医療広告ガイドラインとの関係

AIに見つけてもらいたいあまり、ホームページの表現を強くしすぎるのは逆効果です。

厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、平成29年の医療法改正によって医療機関のウェブサイトも広告規制の対象となり、虚偽や誇大な表示は禁止され、是正命令や罰則の対象になりうるとされています(出典4)。厚生労働省の事例解説書では、患者さんの体験談の掲載、ビフォーアフター写真、他院との比較による優良広告などが注意すべき例として取り上げられています(出典5)。

「AIに推薦されるように」と「地域No.1」「最高の治療」といった言葉を並べたり、口コミサイトの好意的な声を抜粋して自院サイトに転載したりするのは避けましょう。厚生労働省は、違反の疑いがあるウェブサイトの通報を受け付ける「医療機関ネットパトロール」も運営しています(出典6)。

AIに拾われやすい情報と、ガイドラインで認められている情報は、実はかなり重なっています。診療時間、診療内容、費用、リスクや副作用の説明、医師の経歴。事実を正確に、わかりやすく書くことが、結果的にどちらにも効く準備になります。

編集部の考え:まず「自院がどう答えられているか」を知ることから

ここまで読んで、「結局、何をどこまでやればChatGPTに載るのか」と感じた方もいると思います。

正直に書くと、ChatGPTがどのクリニックを何番目に紹介するかの仕組みは公開されておらず、「これをすれば必ず載る」という方法はありません。同じ質問でも、聞く日や聞く場所、言い回しによって答えが変わることもあります。ですから、「AIで上位表示を保証します」とうたうサービスには、少し慎重になったほうがよいというのが編集部の考えです。

そのうえで、確実に言えることもあります。自院が今どう答えられているかを知らないまま対策をしても、効果があったのかどうか判断できない、ということです。

おすすめしたいのは、まず院長先生やスタッフの方が、患者さんになったつもりでChatGPTに聞いてみることです。「〇〇駅 内科 夜間」「〇〇市 小児科 土曜」など、自院の強みに関わる質問を5つほど考えて、実際に入力してみてください。自院の名前が出るか、出たとしたら情報は正しいか、どのサイトが参照されているか。それだけでも、ホームページのどこを直すべきかのヒントが見えてきます。

ただ、これを毎週、ChatGPT・Gemini・Claudeといった複数のAIで続けるのは、忙しい診療の合間には現実的ではありません。

MediSignalでできること

MediSignalは、クリニックのためのLLMOモニタリングサービスです。あらかじめ設定した質問を毎週ChatGPT・Gemini・Claudeに投げかけ、自院が回答に登場したか、何番目に紹介されたか、どのURLが参照されたかを記録・可視化します。

MediSignalはあくまで「測る」ためのサービスです。AIの回答に掲載されることを保証するものではなく、ホームページの修正や記事の作成も含まれていません。そのかわり、ホームページを更新した前後で回答がどう変わったかを、毎週の推移で確認できます。制作会社と改善を進めるときの共通の物差しとしても使っていただけます。

料金は、月額5,000円・30,000円・50,000円(いずれも税別)の3プランです。詳しくはMediSignalのサイトをご覧ください。

冒頭の女性のように、AIに聞いてから受診先を決める患者さんは、これから少しずつ増えていくはずです。まずは今日、自院の名前でChatGPTに一度聞いてみるところから始めてみませんか?


参考資料

  1. OpenAI Help Center「Searching the web with ChatGPT」 https://help.openai.com/en/articles/9237897-searching-the-web-with-chatgpt
  2. OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」 https://platform.openai.com/docs/bots
  3. Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」 https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja
  4. 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001304536.pdf
  5. 厚生労働省 第7回医療機能情報提供制度・医療広告等に関する分科会 資料3-3「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)(案)」(令和8年3月26日) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001680061.pdf
  6. 厚生労働省「医療機関ネットパトロール」 https://iryoukoukoku-patrol.mhlw.go.jp/